マンションの「寿命」は何で決まるの?
一般的にはマンション水道設備の寿命が、マンションに住むことができる期間と考えても差し支えないでしょう。
耐震化や外壁を修繕してマンション駆体自体が100年持つと言われても、老朽化のスピードが早いライフラインの水道設備が機能しなくなれば「居住」することができなくなるからです。
特に築40年を過ぎたマンションの給水管は「水道用亜鉛メッキ鋼管」を使用していることが多く、内面を補修しても外面の腐食・劣化は防げませんでした。
さらに給排水管の部分的な延命処置を繰り返すと、場所によって古い設備が残り、結局は更新をすることになるためコストが負担が大きくなっていくケースが多く見られます。
「マンションストック長寿命化等モデル事業」とは?
この事業(補助金)は、国土交通省が行うもので、マンションの改修に関して「独創性で先導的な工事事例」と認められた計画に対し、工事費用の1/3が補助されるものです。
このような背景から、なかなか水道設備の効率的な修繕工事ができずに老朽化するマンションが多くなったため、行政も改修工事を後押しする対策を行っています。2020年から始まったこの制度は5年間で終了する予定ですので、検討の期間はあと1年しかありませんが、検討する価値は十分にあるのではないでしょうか?
この補助金には、以下の2つのパターンが設定されています。
先導的再生モデルタイプ
こちらは、長寿命化に向けた計画を立てるための「調査」などの支援や、新しい工事や新機能を導入するための工事に適用されます。
管理適正化モデルタイプ
こちらは、管理水準向上のための調査などの計画を支援し、大規模修繕工事などの実施支援となっています。
詳細な内容については、以下を参照してください。
マンションストック長寿命化等モデル事業
実際の工事の費用だけでなく、条件に合った計画や準備そのもののコストに対しても補助金が出ますので、大規模修繕工事を予定している管理組合も検討してもよいでしょう。
どのような工事が「認可・採択」されたの?
申請が認可された事例(例)
・排水管立管の更新工事と更生工事を組み合わせた再生
・管の材質や種類が異なる共用部排水管を樹脂管に一斉に更新
・スラブ下配管の解消と専有部給排水管の全面更新
・給水設備の先行配管を天井裏に敷設し、点検口を設けて将来のニーズに対応
・共用給排水管を樹脂管に更新するために、管理規約を改正し、当該工事を共用部分の工事として取り組む
・共用部排管を改修する際、専有部分配管の一部も含めて改修できるように管理規約を改正
いずれも、築30年〜50年のマンションの管理組合がこの事業に申請して認可された例です。参考にしてください。